バート・マンロー、1920年型インディアン・スカウト改良型。
スゴイ映画を観てしまった。
21歳で手に入れた、生涯の相棒となるインディアン・スカウト。
より速く走ることを追求し、40年以上自らエンジンを改良し続けている。
そう、主人公は63歳のバイク乗りだ。
自分の造り上げたインディアンが、どこまでスピードが出せるのか、死ぬまでにどうしても確かめたいと、アメリカ・ユタ州・ボンネビル‐ソルトレイクで開催される、最高速度トライアル『スピードウィーク』に参加して、世界最速に挑むというストーリーである。
若くなければ金も無い。あるのはバイクに掛ける情熱だけ。
しかも、狭心症と前立腺肥大の持病を抱えてのチャレンジだ。
車でもオートバイでも、最高速記録を出すマシンは例外なく、金に糸目をつけず造り上げるものである。気合や根性で、どうにかなるものではないのだ。
しかし、バートのインディアンは、すべて手作りの部品で造り上げたのではと思われる。
現在では、馬力を上げるためのチューニングパーツがあり、それを組み上げるものなのだが、バートは違う。
車のピストンを溶かし、バイクのピストンを自分で鋳造しているのだ!
スゲー!!Σ( ̄□ ̄;)
ガレージを兼ねた家の棚には、たくさんのエンジンパーツが並べられている。
『スピードの神への捧げ物』として。
ガレージからバイクを出し、エンジンに火を入れる。
この時、キャブレターのエアファンネルを、手で塞ぎながらエンジンを掛けているのだ。
多分、チョークの役目をしているのだろう。
このシーンで、バイクや車好きの人は、ガッチリとハートをつかまれた事だろう。
私はこのシーンで、やられてしまいました。
バートが心臓の発作で倒れてしまう。
医者には狭心症と診断され、バイクに乗ることは当然禁止されてしまった。
これをきっかけに、アメリカ行きを決断することになったのだ。
しかし、バートが記録を出せるとは誰も思っていない。信じているのは、隣に住む少年だけだ。
アメリカへ出発する日になっても、バイククラブの仲間ですら、見送りに来ない。
そこへ突然バイクの集団が現れた。先日、浜辺で競争した若いバイク乗り達が、餞別を持ってきたのである。
「あんたならやれるよ」と見送りにきたバイク集団。
バートの走りに惚れてしまったのだろう。
ここは泣けました。
バイク乗りの方なら、号泣必至であるだろう。
(T△T~)
私もバイク乗りであるので、このシーンはツボにはいってしまった。
私の乗っているのは、インディアンのようなクラシックタイプではなく、最新の装備のバイクである。2005年式 SUZUKI GSX1300R ハヤブサ。市販車最高速記録で、ギネスブックに載っているマシンだ。
スピードリミッターが、時速300kmで作動するため、300km/hを超えることは出来ないが、まあ、そこまで出すことも無いであろう。
速すぎるって!(^^;)
ニュージーランドから、ボンネビル‐ソルトフラッツにたどり着くまでは、ロードムービー仕立てである。
数々のトラブルに見舞われるが、バートの人徳か、皆に助けられながら、ついに夢の地、ボンネビルにたどり着いた。相棒、インディアンと共に。
(T△T)
大会に参加しようとするが、「登録していない」「整備不良」などと言われ、走ることが出来ない。
しかし、車での伴走付きで試走が許可された。それで判断しようということになったのだ。
当時でも、骨董品レベルのバイクなので、大してスピードも出やしないと、大会スタッフは高を括っている。
ところがどうだ。伴走車が追いつけないほどのスピードで走ってしまったのだ。
「トップギヤの伸びは良かった」とスタッフ。「2速だったのだが」とバート・マンロー。
ヽ( ̄▽ ̄)ノ
そして、念願の最高速アタック。
エンジンの回転を上げ、加速を続けるインディアン・スカウト。
時速100km、時速150kmとスピードを上げていく。
さらに加速させるバート。それに応えるインディアン。
時速200kmを超え、さらに時速250kmとスピードを乗せていく。
そして、ついに時速300kmを突破した。
ヽ(`Д´ )ノ
なんと、バートのインディアンは最高速新記録を達成してしまったのだ。
バート・マンロー63歳、長年の夢を現実にしてしまったのである。
このアタックシーンは、「行けー!!」と熱くなるのは当然だが、スピードが増すごとに、泣けてくるシーンでもある。
バートを応援する気持ちや、「挑戦出来てよかった」「よくぞここまで造り上げた」と、様々な思いが交錯し、涙腺が全開となってしまう。
。・゜゜⌒(TOT)⌒゜゜・。
ハリウッド仕立ての映画だと、こうはならず、「ヨッシャー!!」で、終わるところだったろう。
主人公のやっていることが凄すぎるので、夢物語と思われるかもしれませんが、これは『真実の物語』なのである。実話なのです。
驚いたことにバートの記録は、現在でも破られていないのです。
バートのインディアンは、世界最速のために造ったというよりも、速く走るために造った結果が、世界一だったということだと思います。この後、毎年チャレンジし、記録を更新していたということからも、そう推測されます。
カッコイイじゃないですか!
ヾ(>▽<)ゞ
バートのセリフもいい。
「リスクを恐れてはいかん。それが人生のスパイスになる。それが“生きる”ということだ。」
「こういうマシンで走ることは5分が一生に勝る。一生より充実した5分間だ。」
「夢を追わない人間は“野菜”と同じだ。」
「顔にしわはあっても、心は18歳だ。」
はっとさせられます。
この映画を観た方々は、「この数々のセリフを、自分の人生の糧に出来たら」と思われたのではないでしょうか?
私もそうです。
この映画は、面白かったというより、観てよかったと思えるものでした。
上映館も少なく、知らない人も多いと思われますが、映画の好きな方なら、ぜひ観てほしい。こういう映画はもっと世の中に評価されるべきなのでは、とも思います。
バイク好きかどうかはあまり関係なく、老若男女、どなたにでも楽しめる映画だと思います。
主演はアンソニー・ホプキンスです。
気になるところも、多少はありました。
字幕表記が『ボンネビル』ではなく、「ボンヌヴィル』だったことです。
正確な発音はわかりませんが、『ボンネビル』の方が一般的かと・・・。
『やるっきゃない』とかも、少し違和感が・・・。
f(^^;)
ほとんどの映画館で上映終了となっているので、DVDの発売が待ち遠しいですね。
今では、新宿のテアトルタイムズスクエアで上映している程度でしょうか?
この映画を観た感想は、人それぞれだと思いますが、「退屈な映画だ」「レースシーンだけは良かった」「特に心に残らなかった」「つまらない」という人がいたとすれば、きっと、その人の人生は“野菜”と同じなのでしょうね。
世界最速のインディアン オフィシャルサイト
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